○子供は親のために勉強をしている


 

《“意味”や“理由”がわからなければ、がんばれない》

 

 

「勉強するのはママのためじゃなくて、あなた自身のためなのよ?」

 

・・・そんなセリフをお子様に言ってしまったことがある親御様は多いのではないでしょうか。

 

 

ところが、子供からしてみれば、「パパやママのために勉強をしている」という意識なので、この発言自体もはやタブーなのです。

 

 

 

人は本能的に『快』『楽』を選ぶ生き物です。自ら『苦』は選びません。

 

自ら『苦』を選ぶ場合は、そこに“意味”や“理由”が存在していて、それらにメリットを感じているからです。

 

 

 

例えば、ダイエット。

 

運動が苦手な人が、運動をするのはとても『苦』ですし、食べることが大好きな人が、食事制限を強いられることもまた『苦』ですね。

 

それでも頑張れるのは、“苦を乗り越えた後のメリット”を見いだせているから。

 

 

「痩せたらキレイになって、おしゃれなワンピースを着こなすことができる」

「痩せたら健康的になって、生活習慣病を防ぐことができる」

 

 

このように“具体的なビジョン”が描けているから、頑張ることができるのです。

 

 

 

一方、中学受験。

 

 

「読むことがめんどくさい」

「書くことがめんどくさい」

「考えることがめんどくさい」

 

 

そう思っている子供に勉強をやらせたところで、本人はただただ「辛い」だけです。

 

まだ世の中を知らない子供が自ら、“勉強を頑張った後に訪れるメリット”を具体的に描けるでしょうか。

 

子供は、まだ人生経験が少なく、社会への帰属意識が低いため、本能のままに素直に生きる傾向にあります。

 

自ら“苦を乗り越えた後に訪れるメリット”を見いだすことができるのは、良くも悪くも年齢不相応に精神が成熟している子です。

 

親やまわりの大人たちが、子供に対して大人になることを促さなければ、年齢を重ねるばかりで本当の意味での大人になれない子もいます。

 

 

 

 

《子供は親に認めてほしいのだ》

 

単刀直入に言うと、子供は“親のため”に勉強をしています。

 

先述したように子供は“社会への帰属意識”がほぼ無いに等しく、自分は“家族”という組織に属しているのだという認識なのです。

 

よって、家族の中で一番の長(パパママ)に『認めてほしい』という欲があります。

 

これからわかるように、子供は学校の先生や塾の先生に褒めてもらっても実はあんまりピンときていません。

 

「自分ががんばって、先生に褒められれば、パパやママが喜ぶ」と思って勉強をしています。外の人間に褒められて嬉しいのは、実は本人ではなくて親御さんなんです。

 

 

パパママに認めてほしいから、辛くても「勉強を辞めない。がんばる。」と言って続ける子もいます。「勉強を辞める」と言ってしまったら、「今までのように受け入れてもらえなくなったらどうしよう」「パパやママをがっかりさせたらどうしよう」という思いがあるからなんです。

 

 

でも、子供本人は、本当は辛くて辛くてしかたない・・・。

 

子供が勉強を辛いと思ってしまうのは『意味』や『理由』がよくわからないから。さらには、勉強本来の『目的』を親が子供に示せていないから。

 

 

本来勉強というのは、世の中を豊かにするためのものなんです。

 

 

小さいうちは親のためにしていた勉強も、いずれ自分自身のためにするものだと気づきはじめ、最終的に世の中に貢献するために学んでいるのだという事実に大人になる頃に理解するのです。

 

勉強の『目的』は、親が親の言葉で子供に説明してあげる必要があるのです。

 

 

その大切な部分を省いて、「やれ勉強が大事!」「やれ中学受験がんばれ!」なんて言ったって、子供にとって本当に大切なものが身に付かないだけでなく、失われなくてもいいはずのものまで失ってしまうような事態になるのです。

 

 

 

《親の価値観を子供と共有せよ》

 

我が子に幸せな人生を歩んでほしい・・・親がそう願う気持ちは万国共通であっても、『どんな人間に育ってほしいか』という、子育てや教育に対する考え方は各家庭ごとに異なります。

 

 

Aさん家の教育方法と、Bさん家の教育方法は正反対。

 

そんなことはよくあることで、むしろそれで正解なのです。

 

ただし、ひとつの家族という組織内では、みなが同じ教育方針を共にしていなければ、うまく行きません。みなが同じベクトルで行動をしなければ、家庭全体がうまくまわりません。

 

夫婦間だけで教育方針をともにししていたとしても、子供本人と共有できていなければ意味がありません。

 

家族は一丸となって同じ方向に歩みを進めてこそのものです。

 

まだ幼いから我が子には理解できないだろう・・・ではなく、理解できないからこそ、親が丁寧に説いてやるのです。

 

親が親の言葉で自身の“価値観”を子供に説き、それを必ず家族全員で共有してください。

 

 

 

 

 

《親は自分の価値観を講師に代弁させてはいけない》

 

 

 

「勉強しろって、先生からもきつくあの子に言ってやってください」

 

 

今までに何度もパパママたちから言われたセリフ。

 

 

基本的にはづきの指導法は「褒めて伸ばす」なので、よほどのことが無い限り叱ったり、怒ったりしません。(怒らないけれど、本当に生徒がよろしくないことをしたときには、静かに真理をつくような物言いをするので、生徒が震えるほどおびえていることがありますが・・・笑)

 

 

テストで悪い点数を取ったり、勉強をしないことで、怒る意味がわからないので怒りません。

 

 

 

「先生、僕は中学受験も、勉強もしたくないんだよ」

 

 

なんて生徒から打ち明けられたら、わたしは「それなら辞めちゃえ!辞めちゃえ!」と真っ先に生徒の肩を持つタイプの講師です。

 

 

勉強を子供に“させる”という認識がそもそもの間違いです。

勉強とは本来、旺盛な探究心によって能動的に学び取ることをいうのです。

 

 

子供に勉強をさせようと叱ったり、怒ったりするのが、親の仕事ではありません。(ましてや、講師の仕事でもありません)

 

子供の好奇心を掻き立てるように誘導するのが、親の仕事なのです。

 

 

そんな大事な仕事を、いくら講師と言えども他人になんて任せては絶対にいけません。

 

必ずしも親と同じ価値観を講師が持っているとは限らないのですから。